私立に通う小4の息子さんがいるママ友が、高級住宅地に住むお友達の
盛大な誕生パーティーの様子を帰宅した息子から報告され、
息子に思わず聞いてしまったそうです。
ねぇ、あなたはうちの子でしあわせ?
あー、毎日夏休みで学校行かずに
1日ゲームできたらぼくしあわせかも
息子さんらしい返事に、私は思わず笑ってしまったけど、彼女は拍子抜けしたそう。
「しあわせ」って相対的には測れないから、人それぞれなのでしょう。
子どもって幼い頃ほど素朴で、生まれた環境が周りと比べてどうとか考えることなく、受け入れてくれます。
そういえば、数年かに一度、ニューストピックにあがる国際連合児童基金(UNICEF)による「最も子どもがしあわせな国ランキング」(「child well-being」)とは何を基準に評価しているのでしょうか?
ひねくれもののワタクシ、どこの国がランキングしたかという結果よりもまず、評価項目が気になり、調べてみました。
評価基準となる5つのカテゴリー
- Material well-being (物質的な幸福)
- Health and safety(健康と安全
- Education(教育)
- Behaviours and risks (行動とリスク)
- Housing and environment (住居と環境)
上記の5カテゴリーですが、項目名だけでは何を評価しているのかわからないので各カテゴリーの評価項目をより詳しくリストにまとめました。

日本のように恵まれた国からすると、「これは最低限の教育環境を満たしているかのチェックリストでは?」という声が聞こえてきそうです。
さあ、これらの評価項目によりランキングされたトップ5いってみましょう!
子どもが幸せな国ランキング TOP5
1位 オランダ

北欧を抜いての堂々1位。オランダの子どもたちの幸せは競争の少ない、ストレスの少ない学校システムと親のワークライフバランスの良さが理由としてあげられています。
北欧の英語力の高さは知られていますが、オランダもメディアが吹き替えされずに英語で流されていますので、子どもたちが自然に英語力を身につけやすいと言われています。
2位 ノルウェー

幅広い項目において上位を獲得。国民の1人当たりの所得が世界でもトップレベルであると同時に、その国民から集めた高い税金で、健康・医療サービス・教育をはじめ幅広くカバーしています。
在日ノルウェー大使館によると、人口の32.9%が大学または短大で教育を受ける、教育レベルの高い国とさえれています。(ちなみに日本は58.1%と上回る)
3位 アイスランド

あまり日本では取り上げられないアイスランドですが、「健康と安全」カテゴリーで堂々の1位を獲得。残念ながら「教育」では10位。
GDPでも近年成長がみられましたが、2019年にアイスランドのカトリン・ヤコブスドッティル首相が、経済成長の指標にとらわれない、環境や家庭を重視する予算編成を、各国政府に働きかけているとBBCでとりあげられました。
<参考>(2019年12月4日BBC 「GDPに代わる幸福度の指標を」 https://www.bbc.com/japanese/50657216)
4位 フィンランド

「物質的な幸福度」カテゴリーで2位、「教育」で4位。
フィンランドの税制は貧富の差を埋め、子どもの教育・健康に対するシステムに多額の税金が投入されています。
5位 スェーデン

健康と安全」カテゴリーで2位、「教育」で予想外の11位。
スェーデンといえば、日本のメディアでは子どもを育てる両親にとってのワークバランスのすばらしさで特集されることが多いですが、ヨーロッパ全体、特に北欧は各国社会福祉やワークバランスは優れています。
<おまけ> 6位 ドイツ

「教育」カテゴリーで2位を獲得するも、「住居と環境」で13位となり、総合で5位には入れず。
PISAの結果が落ち込んでからメディアがとりあげはじめ、州ごとに試行錯誤しています。
この調査の注意点
トップ20位まで、北欧を中心にヨーロッパ諸国ばかりがランクインしています。
評価対象国を調べたところ、OECD/EU加盟国の中でも、データ不足を理由にオーストラリア、ブルガリア、チリ、キプロス、イスラエル、日本、マルタ、ニュージーランド、大韓民国、トルコは含まれていませんでした。
オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本が入るとまたランキングに変化がありそうなので、ぜひ調査に加えてほしいところです。
考察・まとめ
評価項目を細かくみていくと、英語の「Child well-being in rich countries/ a comparative overview」を「最も幸せな国ランキング」と訳してしまうことにひっかかりを感じます。
「子どもを育てる環境ランキング」
という表現にした方が的確なのではないでしょうか。
<出典>国際連合児童基金(UNICEF)2018年度「Child well-being in rich countries/A comparative overview」https://www.unicef-irc.org/