日本では、将棋の藤井聡太棋士が受けていた教育として、その存在を広く知られることになったモンテッソーリ教育。
海外ではよく知られたオルタナティブ教育の代表として、多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けていたそうです。
モンテッソーリ教育を受けた著名人
藤井 聡太(棋士)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)、ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)、ラリー・ペイジ(Google創業者)、マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)、バラク・オバマ元大統領
そうそうたるメンバーですね。
発祥はイタリアですが、アメリカでモンテッソーリは広く普及しています。
上記の方々を含め、モンテッソーリ教育を受けた人間の共通点として
・一つのことに集中して取り組むことができる
・周囲に流されない、自分の考えを持つ
の2点があげられます。
ひとつめの「集中力」について、「好きなことなら、どんな子どもも集中するでしょ」という声も聞こえてきそうです。いえいえ、子どもの中には集中のスイッチが入りにくい子もいるんです。
そもそも、「好きなこと」を早い時期に見つける事さえ難しいのが現実ですから。
今回は実際にモンテッソーリ教育を受けたお子さんをお持ちのママさん達に「モンテッソーリ教育を受けたデメリット」をうかがってみました。
モンテッソーリのデメリット
実際に、子どもにモンテッソーリ教育を受けさせた先輩ママ2名に聞いたデメリットをご紹介します。
ママA
アメリカで幼児期からモンテッソーリ教育の幼稚園→小学校に通わせ、小学4年生の時に日本へ帰国し、帰国子女対応のある国立小学校に編入
ママB
幼児期から家庭で手作り教具を与え、幼稚園でモンテッソーリ教育を受けさせ小学校入学を機に普通の公立小学校へ。
①従来型の偏差値教育に戸惑いを感じる
詰め込み暗記型の受験勉強的な教育と比べると、モンテッソーリ(含め、ほとんどのオルタナティブ教育)はおそらくその対極に存在しています。
それぞれの子どもの探求心を大切にしているため、モンテッソーリ教育から離れ、通常の日本の学校システムに放り込まれた際、「指示された課題に取り組む」という姿勢に切り替えられず戸惑いを感じるでしょう。
②自己主張が強くなる
これはインターナショナルスクールや欧米への進学を将来的にお考えであれば利点にとらえられる一面が日本の小学校のように団体行動や協調性が重んじられる環境では、マイナスにとらえられてしまうそうです。
「時間通りに、指示された事を、指定されたルールに従って取り組む」という過ごし方に「なぜこうしなきゃいけないの?」「どうして同じじゃなきゃいけないの?」とお子さんが疑問を持つとのこと。
驚いたのはママBさんのみならず、ママAさんもこれには大きくうなずかれていました。ママAさんのお子さんの進学先は帰国子女を多く受け入れることで有名でしたので自由な校風を勝手に想像していたのですが、「日本の学校へ順応できるようにサポートしてくれる」=最終的には従来の小学校でもやっていける子にすることを目標にしているので、かえって近所の公立小学校よりも厳しい面もあるそうです。
③管理されることにストレスを感じる
モンテッソーリ教育はお子さんの探求心に従って、集中して取り組む姿を尊重するため、指導者が間違いを指摘したり、ルールを設けたりすることはほとんどありません。
日本の学校は時間割や校則があり、さまざまな場面で「こうしなければならない」という見えないルールがあり、指導者に管理されています。
こういった環境に戸惑い、ストレスを感じることも多いそう。
まとめ
今回は2名のモンテッソーリ教育を経験した先輩ママに「モンテッソーリのデメリット」をお話してもらいました。
「あのままアメリカに滞在することができていたら、そのままモンテッソーリ校に進学させていたので、戸惑いはなかったはず」というママAさんの言葉が印象的でした。
「子どもにストレスをかけない」という点に着目すると、最も大切なことは「一貫した教育環境下においてあげる」ということかもしれません。大学やその先の将来のゴールをどこに置くかが明確に決まっていれば、ゴールに効率よくたどり着けるコースとなる教育環境を与えてあげればいいのです。
とはいえ、我が家も転勤の度に環境どころか教育言語も変わっていますので、子どもからしたらストレスであることは間違いない…お子さんが強い子であれば、ストレスは従来の価値観から抜け、世界を広げるチャンスでもあるので、一概に悪いとも思っていません。
「モンテッソーリはうちの子には合わないのでは?」と悩んでいる方は、さまざまな学校に足を運び、お子さんの個性と将来の姿を想像していちばん輝ける場所を選んであげてください。「モンテッソーリ」施設の中でも、日本国内ではそれぞれの施設で導入方法や方針が違いますので、「百聞は一見にしかず」ここは実際にお子さんと訪れてみましょう。
<参考>